「なぜ、こういう結果になるのか!?」

*先月公開プレゼンテーションを見に行ったこのコンペの結果が、今日ウェブサイトで公表された。設計者に選ばれたのは妹島和世さん。正直、この結果には驚いた。次点はというと、北山恒さん。会場にいた人ならわかると思うが、審査員との応答や案の実現性は北山さんがずば抜けて良かったように思えた。このように、最近のコンペでは思わぬ結果になることが多く感じる。
*そこで、最近のコンペをこう斬ってみた。「なぜ、こういう結果になるのか!?」。コンペの傾向としては、優れた案を選定するというものから設計するに相応しい設計者を選定するという、いわゆるプロポーザル方式にシフトしてきている。これは、主催者側の事情によるものだと思われるが、できるだけ早い段階から設計者を選びたいという意図があるからだろう。それによって、応募者側では応募できる資格が定められたり、応募できたとしても山のような資料を提出しなければいけないという事態が起きている。どんな資料を出すかというと、応募者の経歴やこれまでどんな建物を設計してきたかの実績、作品の受賞歴、掲載された記事など、枚数にするとちょっとした作品集ができてしまうほどだ。しかも、部数も半端ない。この段階で、経験の少ない若手の建築家は応募できないし、経験のある建築家と組んで応募する人が増えてきている。
*膨大な資料が要求される応募者側にとってみれば、審査における書類の重要性が高いと思わざるを得ない。今回のコンペでは美術館を設計する設計者の選定というものだったので、書類審査の段階で美術館の設計経験が問われた。設計者に選定された妹島さんは、金沢21世紀美術館やニューミュージアム現代美術館など国内外での美術館の実績を多く残す建築家のひとりだ。書類審査の段階でもおそらくトップだったにちがいない。結果から考えると、事前に提出した書類の重要性を物語る。
*だったら、どうして案なんて出させるのだろうか。案の比重はどの程度あるのか。そんなことを思ってしまう。今回、2次審査に10者残った。10者の中身は、経験の大小に関わらずさまざまな案だった。案のバリエーションが10通りも提示されたといって良いくらい、それぞれに色が違っていた。公開プレゼンテーションでは、自分の案がいかに相応しいかを一生懸命にアピールする発表者に対して、今回の案に対してどの程度の許容があるのかを審査員が質問をする。このやりとり自体が、各案の明暗を分けるところでもあり、コンペの醍醐味でもある。実際に、市民やメディアに公開されるのはこの部分だけである。事前に提出された書類審査は公開されない。コンペの公開性とは一体何だろうか。そして、案の重要性を問う必要はないのだろうか。決して妹島さんの案が悪かったとは言えないが、仮に書類審査で優位であっても2次審査での大逆転はないのだろうか。応募する側として、いろいろなことを思う。最も、最近のコンペで感じることは、公開プレゼンテーションで繰り広げられる展開と結果にギャップがあることだ。
















